こんにちは!AI-Bridge Labのせいやです😊
コードのバグ修正、新機能の追加、全体構造の把握、さらにはPull Request(PR)の作成まで──それらをすべて自動でこなす開発支援AI「Codex」が、2025年5月17日にOpenAIからリリースされました。
Codexは非常に高性能なAIアシスタントで、開発業務の効率を飛躍的に高めてくれます。
操作方法も極めてシンプルで「このバグを直して」「ログイン機能を追加して」といった自然言語での指示だけで、Codexがクラウド上の隔離環境(サンドボックス)で安全にタスクを実行してくれます。
本記事では、そんなCodexの主な特徴や使い方、料金体系、そして導入時に注意すべき点について、わかりやすく解説していきます。
Codexとは
OpenAIが開発した大規模モデル「o3」を、ソフトウェア開発支援に特化してカスタマイズした専用モデル──それが「codex-1」です。
このモデルを搭載によって、Codexは設計意図やコード構造を深く理解し、最適な修正や生成を自動で行えるようになりました。
このCodexは、ChatGPTに新たに統合されたAIエージェントであり、従来の開発支援ツールにはない高精度な支援を実現しています。
単なる表面的な操作ではなく、本質的な開発意図を踏まえたアシストが可能なのが大きな魅力です。
ベンチマーク(性能評価)
すでに社内の実務タスクにおいて、codex-1は精度の面で他モデルを大きく上回っています。
その実力は数値にも表れていて、精度比較ではo1-highやo4-mini-highを圧倒し、最大で80%以上の差を記録しました。

SWE-Bench Verifiedとは
AI(特に大規模言語モデル)が実際のソフトウェア開発の課題(バグ修正や機能追加)をどれだけ正確に解けるかを評価するための性能評価テスト
OpenAI Internal tasksとは
OpenAIが自社内でAIモデルの性能を評価・改良するために使用している特別なタスク
Codexの使用の流れ

Codexの使用手順は、準備・指示・実行・確認の4段階に分かれています。
【準備】
ChatGPTのサイドバーからCodexを起動し、必要に応じてGitHubリポジトリと接続します(接続設定が必要)。さらに、プロジェクトルールを定義したAGENTS.mdを設定することも可能です(任意)。
【指示入力】
「ログイン画面のバグを修正して」などの自然言語で指示を入力し、「Code」または「Ask」ボタンを選択して、Codexにタスクを割り当てます。
【作業実行】
Codexはクラウド上の隔離環境でタスクを実行し、その進行状況をリアルタイムで表示します。
【結果確認】
結果を確認し、必要に応じてPull Requestの送信や、さらなる修正依頼を行うことが可能です。

Codexでできること
1.プロジェクト固有の規範にも柔軟に対応。
codex-1モデルは、実際のPull Requestや開発者のコードスタイルを学習していて、プロジェクト特有の命名規則や記法にも適応可能です。
結果として、可読性と一貫性に優れたコードの生成が実現されます。
2.自然言語から始まる、開発タスクの全自動化。
Codexは、ユーザーが自然言語で伝えた要件を理解して、ソースコードの不具合を検出・修正、さらに新機能のコード生成やテストコードの構築も自動で行います。
3.AGENTS.mdを通じたリポジトリの理解強化。
プロジェクト内に配置されたAGENTS.mdには、標準的な開発手順やディレクトリ構成、テストコマンドなどを入力することができ、Codexがこの情報を読み取って作業の精度と理解力を高めていきます。
4.PRの作成とレビュー支援を一体で提供。
修正内容や新機能の追加に関するコードは、CodexがPull Requestとして整理して、変更理由やテスト結果を明記した上で提示してくれます。
5.透明性ある動作と出力による信頼性の確保。
各タスクの実行時には、テスト結果やログ出力が表示されて、CursorやDevinのようにCodexの動作の内容を見ることができます。ユーザーはその結果をもとに、ローカル環境での適用や再調整を判断できます。
料金体系と提供状況
現在、Codexが研究プレビューとしてリリースされています。
このプレビュー版は、Pro・Team・Enterpriseの各プラン利用者に対して、数週間にわたり追加料金なしで提供されています。

今後の動き
Codexは、今後さらに多様な外部ツールとの統合が進められる予定です。
・CI/CDシステムとの統合(自動PR→テスト→マージ)
・課題管理ツール(例:Jira、Linear)からのタスク割当
・ChatGPT DesktopアプリやCodex CLIからの一貫した操作フロー
・GitHubリポジトリとの直接連携(現在も一部対応)
こうした統合により、Codexとのやりとりが開発プロセスに組み込まれ、AIエージェントとの協働が開発の日常として定着していくと見込まれています。
使用上の注意点
Codexを利用する上で、以下の点には特に注意が必要です。
- 外部APIやWebサイトへのアクセスは制限されており、安全性を確保するため動作範囲は限定的です。
- Codexの出力をそのまま信用せず、テスト結果やターミナルログを必ず確認することが推奨されます。
- GitHubリポジトリとの連携が必須であり、ローカルファイル単体では使用できません。
まとめ
開発タスクがAIによって自動化される未来は、もはや予測ではなく現実となりつつあります。
Codexは、自然言語による指示から始まり、テストやレビューまでを一貫して支援することで、その変化を象徴しています。
今後、課題管理ツールやCI/CDとの統合が進めば、開発者はより創造的な部分に集中できるようになるでしょう。
Codexはその入り口として、次世代の開発フローを切り拓いていく存在と言えるかもしれません。
AI-Bridge Labについて
AI-Bridge Labでは、今後も生成AIの活用事例について、継続的に情報を発信していきます。
最新のAI技術とその活用方法について、ぜひ一緒に学んでいきましょう!
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